星座名 神   話

かに座

6月22日〜7月23日
 ギリシア神話の英雄ヘルクレスは、神々の父ゼウスとアルクメネの間に生まれた子供でしたので、ゼウスの妻ヘラにたいへん憎まれていました。
 ヘルクレスは誠実で力持ちでしたが、ある時ヘラの呪いで気が狂って自分の息子を殺してしまうのです。ヘルクレスは、その罪を償うために王様からたいへん危険な12の仕事を命令されました。
 その1つにレルネの底なし沼に住むヒュドラを退治するという仕事がありました。ヒュドラは9つの首を持つ蛇の化け物で、時々村を襲って人々を苦しめていました。
 ヘルクレスはレルネの沼のほとりでヒュドラと対決しました。その最中に、大きなカニの化け物が出てきてヒュドラの味方をしました。このカニは、ヘラが送り込んだのです。しかし、このカニはあまり強くなかったので、ヘルクレスに踏みつぶされてしまいました。ヘルクレスはうまくヒュドラを退治しましたが、ヘラはこのカニの働きを褒めて星座にしました。


しし座
7月24日〜8月23日
 ネメア地方の広い谷に、人々を苦しめるライオンの怪物がいました。勇者ヘルクレスが王様から命令された12の仕事の1つに、このネメアのライオン退治がありました。
 ネメアの村に立ち寄ったヘルクレスは、モロルコスという人にライオンの倒し方を教えてもらいました。モロルコスは愛する息子をライオンに食べられてしまったのです。
 ヘルクレスは、ライオンの住む洞窟の2つの入口の片方をふさいで中に入りました。「あのライオンには弓や槍などの武器は役に立たない」、そうモロルコスに教わっていたので、ライオンにつかみかかり大格闘の末、首をしめてやっつけました。
 ところが王様は、ライオンを退治してきたヘルクレスの怪力を恐れて帰ってきたヘルクレスを城に入れなかったといいます。
 ヘルクレスの父親であるゼウスは、息子の冒険の記念にこのライオンを空に飾り星座にしました。


おとめ座
8月24日〜9月23日
 デメテルは農業の女神で、作物や草木など大地の恵みを支配していました。ある日、デメテルの可愛い一人娘のペルセポネーが草原で花を摘んでいると、突然地面の中から馬車が現れペルセポネーをさらっていってしまったのです。
 デメテルは、娘が死の国の王様プルトーにさらわれ、その妃になっていることを知りました。悲しみの余りデメテルは洞穴にこもってしまうと、地上の植物は枯れ、田畑は荒れ果ててしまいました。
 これを見かねたデメテルの兄ゼウスが、プルトーに頼んだのでペルセポネーは地上に帰れることになりました。ところが、帰り際にざくろの実を4粒食べてしまったペルセポネーは、1年のうち4ヶ月は死の国の女神として暮らさなければならなくなったのです。
 ペルセポネーのいない4ヶ月間はデメテルの悲しみで地上は冬になり、四季が出来たということです。おとめ座は、この物語のデメテルの姿ともペルセポネーの姿とも言われています。